概要

地球観測データは衛星やセンサー、配信システムごとに仕様が異なり、データを横断的に活用するためには専門的な知識を要します。 そこでJAXAが保有する複数の衛星データをAPI (Application Programming Interface) 経由で、プログラミング環境 (Python、JavaScript) 上から簡単に利用できるようにするための衛星データ配信サービス「JAXA Earth API」の開発をスタートしました。

JAXAが公開している地球観測データの一部に対応しており、順次追加予定です。

お知らせ

2025/04/02 - GCOM-C衛星による全球フル解像度相当の海面水温クロロフィルa濃度を追加しました。
2025/04/02 - JAXA Earth API for Python Version 0.1.4 を公開しました。
2025/02/27 - JAXA Earth API for JavaScript Version 1.2.3 を公開しました。
2025/02/25 - アプリ・ツールにJAXA Earth Dashboardを追加しました。
2024/04/02 - JAXA Earth API for Python Version 0.1.3 を公開しました。
2024/04/01 - 南極の海氷密接度を追加しました。
2023/06/01 - アプリ・ツールにQGISプラグインを追加しました。

データセット

JAXAが公開している地球観測のデータセットや、関連機関の公開データセットを COG (Cloud Optimized GeoTIFF) に変換して公開しています。90件以上のデータセットが利用可能です。

陸面に関するデータ

だいちシリーズ衛星(陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2))によって観測された陸面に関するデータです。空間分解能約30mのデータを利用できます。

  • 数値表層モデル (AW3D)
  • 森林・非森林マップ (FNF)

降水量

GPM主衛星や世界中の気象衛星などのデータを利用して整備された世界中の雨の状況「衛星全球降水マップ (GSMaP)」のデータです。2000年3月以降の25年間以上のデータ(月平均値、半月平均値、日平均値)を掲載しています。

  • Monthly
  • Half-monthly
  • Daily

地表面温度

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)によって観測された地表面温度 (LST) です。雲がある場合には観測できないためデータが欠損します。 JAXA Earth API では空間分解能5km程度のデータを掲載しています。昼(Daytime)のデータは各地の地方時における午前10時半頃、夜(Nighttime)のデータは各地の地方時における午後10時半頃に観測されたデータです。

  • Daytime / Monthly
  • Nighttime / Monthly
  • Daytime / Daily
  • Nighttime / Daily

海面水温 (GCOM-C衛星による観測)

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)によって観測された海面水温 (SST) です。空間分解能約250mで沿岸付近まで観測できることが特徴です。雲がある場合には観測できないためデータが欠損します。 JAXA Earth API では空間分解能約250mの全球データを掲載しています。昼(Daytime)のデータは各地の地方時における午前10時半頃、夜(Nighttime)のデータは各地の地方時における午後10時半頃に観測されたデータです。

  • Daytime / Monthly
  • Nighttime / Monthly
  • Daytime / Daily
  • Nighttime / Daily

海面水温 (GCOM-W衛星による観測)

水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)によって観測された海面水温 (SST) です。雲があっても観測できることが特徴です。空間分解能はGCOM-C衛星の海面水温よりも低く、沿岸付近は観測できないためデータが欠損します。 昼(Daytime)のデータは各地の地方時における午後1時半頃、夜(Nighttime)のデータは各地の地方時における午前1時半頃に観測されたデータです。

  • Daytime / Daily
  • Nighttime / Daily

クロロフィルa濃度

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)によって観測されたクロロフィルa濃度 (CHLA) です。植物プランクトンの分布を表しています。空間分解能約250mで沿岸付近まで観測できることが特徴です。雲がある場合には観測できないためデータが欠損します。JAXA Earth API では空間分解能約250mの全球データを掲載しています。

  • Monthly
  • Half-monthly
  • Daily

植生指数

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)によって観測された植生指数 (NDVI) です。植物(葉)の分布や活性度を表しています。雲がある場合には観測できないためデータが欠損します。JAXA Earth API では空間分解能5km程度のデータを掲載しています。

  • Monthly
  • Half-monthly
  • Daily

土壌水分量

水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)によって観測された土壌水分量 (SMC) です。

  • Daytime / Monthly
  • Nighttime / Monthly
  • Daytime / Daily
  • Nighttime / Daily

海氷密接度

水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)によって観測された極域の海氷密接度 (IC) です。

  • 北極 Daily
  • 南極 Daily
全てのデータセットはこちら

アプリ・ツール

  • QGISプラグイン

    Python API を使ったQGISプラグインです。より簡単にQGISにデータを取り込めます。(提供:MIERUNE Inc.

    Start
  • Pythonによる解析

    Python API はGoogle Colab上でも利用できます。

    Start
  • JavaScriptによる解析

    JavaScript API はObservable上でも利用できます。

    Start
  • 海面上昇シミュレーター

    3D地形データ「AW3D」を使って、海面上昇をシミュレーションしてみましょう。

    Start
  • JAXA Earth Dashboard

    様々な地球観測データを閲覧・利用できるサイトです。

    Start
  • Data Explorer

    JavaScript APIを利用して作成したデータセット確認サイトです。

    Start

API仕様

APIのモジュールを使用することで、任意の地域、時刻、データセットのデータを取得することが可能です。PythonとJavaScriptに対応しています。

QGIS上でPython APIを利用する例

仕組み

COG (Cloud Optimized GeoTIFF)

  • JAXA Earth APIでは、オンライン経由の衛星データ配信に適したCOGと呼ばれるファイル形式を利用しています。これにより、必要な地域、ズームレベルのデータ部分のみを取得することが可能です。
  • 詳細については次のページをご参照ください。
詳細


STAC (SpatioTemporal Asset Catalog)

  • データセットの中に含まれる複数のCOGファイルを機械的に探索できるようにするために、全てのCOGファイルがSTACと呼ばれる形式のJSONファイルによってカタログ化されています。
  • 詳細については次のページをご参照ください。
詳細


ご利用条件

JAXA Earth APIでは、現状、ユーザー登録やAPIキーの発行、API利用回数制限は設けておりません。 下記の条件で、APIモジュールを利用して、様々な開発環境で無償で利用可能、オープンソースのモジュールについては改変も可能です。

各データのライセンスについては、各データのSTAC上で規定されているライセンス情報をご確認ください。 研究データ等の利用条件が適用されたデータについては商用利用も可能です。

ただし、API及びデータは「現状有姿」で提供するものであり、将来予告なく仕様変更、または公開終了する場合があります。 API及びデータの内容については、できる限り正確に保つように努めていますが、正確性、完全性、信頼性、動作等を保証するものではありません。 JAXA/EORCはAPI及びデータの使用によって生じたいかなる紛争や損害等については、その理由を問わず、一切責任を負いません。 API及びデータを公序良俗に反するなど社会通念上不適切な方法で利用することを禁止します。

本APIを利用して作成した結果を論文やウェブサイト等で公表する場合や、APIモジュールを組み込んだソフトウェアを公開する場合等には、本文中にその旨を明記してください。
例:「本データはJAXA Earth APIを使用して取得したものです」「画像:JAXA Earth APIを利用して作成」「JAXA Earth API for Pythonのモジュールを利用しています」

これらのライセンス条項は予告なく変更される場合があります。ご不明点についてはお問い合わせください。